こんにちは。
リネンカーテンについてお話をするとき、「表情があることの魅力」についてお伝えすることがよくあります。
この「表情」というのは、陽が当たったときに生まれるまばらな色の濃淡などの風合いを指していることが多いです。
このような表情が生まれるのには、リネンの糸を作っていくときに理由があります。
リネンの糸は、フラックスといわれる植物の茎からできています。
これがリネンの原料となるフラックス。可愛らしい小さな花を咲かせます。
このフラックスからリネンが作られていますが、リネンになるまでには多くの手間ひまがかかっています…。
使用するのは、フラックスの茎部分のみ。
フラックスの茎は一度乾燥させ、乾いた茎を梳いて繊維状にしていきます。
そして繊維が一本一本になったところで繊維同士を撚り、一本のリネン糸が出来上がります。
こうして生まれたリネンの糸は、もちろん一本一本の太さもさまざま。
その太さが異なる糸たちで出来上がったリネンの生地には、表情となる濃淡が生まれるのです。
また、糸から生地にしていくまでに、糸と糸が重なることで糸の節のようなものが生まれます。
この糸の固まりのような部分。
これは「ネップ」といわれるもので、リネンに表情を入れてくれるもうひとつの特徴となります。
こういった糸の太さの違いや糸同士の重なりがあることで、リネンカーテンならではの優しい表情が生まれます。
自然素材のものは、全部同じ表情や形といった均等な作りにはなりません。
けれど、リネンカーテンのようにひとつひとつが不均等にできているからこそ生まれる素朴な表情は、暮らしを楽しくさせてくれる大きなポイントになるはずですよ。